健康情報 > 生活療法講座 > 妊娠を希望される方に‐男性不妊について

健康情報.jpトップページへ ホームへ


不妊について

妊娠を希望される方に‐男性不妊について

日本では約10組に1組の夫婦が子供に恵まれていません。その中でも旧来、不妊の問題は女性だけにあるようにといわれてきて、女性だけがつらい不妊治療をしてきました。研究が進み今では、男性にも不妊の原因が半数近くあることが分かりました。そのもっとも多い要因は、精子にあると言われています。

男性不妊の原因

■ 男性と女性の不妊率は同じ?

WHO(世界保健機関)の不妊症に関する調査によると、「女性だけによる不妊原因」は41%で、「男性だけによる原因」が24%、「男女ともに原因」があるのは24%でした。 男性因子が絡むケースの不妊の合計は48%です。つまり不妊原因の約半数は男性側にもあるということです。

■ 精子の数が減少している!

男性不妊の中で最も多いのが精子に関することです。男性の生殖能力の減少は環境ホルモンによるとも言われています。
何らかの原因により血流が悪く精子を作る機能が低下しているのです。男性不妊において問題になるのは精子の数と運動率、奇形率などです。

■ 精子形成の障害

精子が形成される過程での障害は、精巣の機能異常で精子が生産されにくくなっています。原因は不明です。
また、視床下部の下垂体から分泌される男性ホルモン分泌の低下や男性不妊症の約3割を占める精索静脈瘤、停留精巣、染色体異常なども影響しています。

乏精子症
精子の濃度が低いことで、精子濃度1500万/ml以下(WHO基準)
無精子症
精子がいないもの
精子無力症
前進する精子が50%未満、または活発な直進運動をする精子が25%未満
精子奇形症
正常な形態の精子が全体の15%

■ 精路通過障害

精子の通り道である精管にトラブルがあって、精液の状態に影響を及ぼすことを言います。
問題のある部分が小さければ手術で精管をつなぎますが、精管が生まれつき欠落している場合、精巣上体という精子の貯蔵場所から精子を取り出して、顕微授精を行います。
無精子症や乏精子症になります。

■ 性機能障害

男性不妊の中でも、最近、増えてきているのが男性機能障害です。勃起障害、EDという呼び方が一般的です。
男性不妊の原因の約20%がEDといわれています。最も多いのは機能性EDと器質性EDと両方に原因がある「混合性のED」です。

機能性ED
不安、緊張過多、ストレス、人間関係などの心理的な問題や、そううつ病、神経症など精神的な問題が原因で起こります。心因性EDとも言います。
器質性ED
血管、神経、内分泌などの気質性に起因し、糖尿病、心不全、高血圧、動脈硬化、直腸癌や前立腺癌の手術が原因でEDが起こります。また薬物が原因で起こることもあります。

自然妊娠の確率は?

重度の無精子症や乏精子症では、手術や薬物療法などを行っても自然妊娠の可能性は低いと言われており、人工受精体外受精でも、受精成立が困難です。
精子の状態があまりよくない場合には顕微授精を行うことがあります。この方法によって精子の数が非常に少ない、受精障害がある場合も受精させることができるようになりました。

■ まずは精液検査から

泌尿器科や男性不妊専門の病院などで検査できます。もし、奥様が不妊治療のクリニックへ通院されているなら、そのクリニックでも検査ができる場合もあります。
精液検査は至ってシンプルです。精子は体外に射精されますので、女性と比べると肉体的な苦痛はほとんどないと言えます。
精子の採取場所(病院か自宅)などの注意事項については、事前に電話やホームページで確認しておくとよいでしょう。

■ 男性不妊の治療

泌尿器科専門医・男性不妊専門医の診察を受けて下さい。ホルモン療法(薬物治療)などで精子濃度の増加をはかります。血管などの原因は手術も必要ということです。その他非ホルモン剤や漢方薬、サプリメントなど使用することもあります。 身体的だけでなく心理的な要因で夫婦関係が出来ない場合はカウンセリングによる治療も必要になってきます。


男性の不妊症が世界的に急増

■ 環境ホルモンが原因か?

モントリオールにて第18回世界不妊学会が開かれ、「男性の不妊発生率が世界的に急上昇している」という研究報告がで発表されてから10年近く経ちます。
人間だけに限らず、動物や魚などでも、精子の数が過去50年ほどのあいだに減少し続けていると言われています。環境中の有毒物質や、飲料水中の薬品などが原因ではないかと見られていますが、いわゆる環境ホルモンが生殖システムにもたらす危険性を指摘する専門家もいます。

■ 環境ホルモンとは?

皆さんがよく耳にする「環境ホルモン」。 一体どんなホルモン!?という疑問をもつ方も少なくないでしょう。実は「環境中に存在するホルモンのような物質」という意味合いから「環境ホルモン」という通称が広く使われています。本来は、「内分泌攪乱物質(ないぶんぴつかくらんぶっしつ)」といい、環境中に存在する化学物質のうち、生体にホルモン作用を起こしたり、逆にホルモン作用を阻害する物質のことです。生体への影響については、現在も様々な機関で調査、研究が行われています。