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■ 東西医学融合研究会通信

※以下の記事は、東西医学研究会通信からの転載です。


臨床報告号 2004年8月発行
東西医学融合研究会 会長:後藤診療所 医師後藤正彰、副会長:長谷川裕士、野崎康弘、葛西周平

男性の不妊症が世界的に急増

 今年5月にカナダのモントリオールで開催された第18回世界不妊学会で、男性不妊の発生率が世界的に急上昇しているという研究報告が行なわれた。科学者チームは、環境中の有毒物質や飲料水中の薬品などが原因ではないかと推測している。
 「この50年間というもの、人間、動物、そして魚でも、精子の数が減少し続けている」とモントリオール大学のセルジュ・ベリズル教授(産婦人科学)はモントリオールの新聞『ガゼット』紙上で述べている。

 また、シカゴのイリノイ大学メディカルセンターの男性不妊の専門家、ゲイル・プリンズ博士は「まだ議論の余地はあるものの、複数の分析結果で、男性の生殖能力にはっきりとした減退が生じていることが示された」と語る。

環境ホルモンが原因か?

 プリンズ博士はインタビューで以下のように述べている。
「原因はまだ特定されていないが、ほとんどの殺虫剤に使用されている内分泌撹乱化学物質、いわゆる環境ホルモンと呼ばれる一連の化学物質が、動物の生殖システムに大きな影響をもたらす場合があるという有力な証拠がある」
 「ポリ袋やプラスチック容器に入ったものを、私は絶対に電子レンジで温めないようにしている。プラスチックが熱されたときに浸出する化学物質があるからだ」
「精製水を飲み、食物や環境内の殺虫剤にさらされる危険性を、可能な限り減らすよう気をつけている。殺虫剤が生殖システムに影響を与える可能性について、確たる証拠が存在するからだ」

■ 日本でも1990年以降、「精子数」に強い減少傾向

 日本も決して例外ではない。
 1999年4に開催された「女性と内分泌撹乱化学物質」講演会の中で、慶応義塾大医学部産婦人科の末岡浩講師が「内分泌撹乱物質の精巣機能への影響」と題して講演を行った。
 その中で、慶応グループは「精子数」に関する、非配偶者間の人工授精のための健康男児の精子による過去30年間の2万人におよぶ調査で10%の「精子減少」がみられることを明らかにした。また1970年から1989年に比べ、1990年以降で強い減少傾向を示したとした。