肝臓病について
B型肝炎、C型肝炎などの肝炎ウイルスの正体が明らかになり、感染ルートや臨床経過は十分に解明されました。新たに広がる心配はまずなく、今後の問題は、肝炎ウイルス・キャリアの発病を防ぎ、慢性肝炎を沈静化させて肝硬変、肝がんに進まないように予防すること、また既にできている肝がんをいかに治療するかということです。(中嶋俊彰先生著書より)
■ 肝臓の位置
肝臓はみぞおちの右側にあり、からだの表面から指で押すと、肝臓に触れることができるということですが、触ってみて分かりますか? 肝臓の重さは、成人男性で約1.1〜1.3kg、成人女性で約1〜1.2kgです。
■肝臓の構造
肝臓は腸などの消化器からくる血液から、栄養素とエネルギーを受け取り、心臓からきた血液から、酸素とエネルギーを受け取っています。腸と心臓からきた血液は、肝臓の中で混じり合って心臓に戻ります。
■ 肝臓の働き
- 代謝
植物から摂取した栄養素を体内で他の物質やエネルギーに変える。
- 解毒
アルコールや薬剤など身体に悪い有害物質を分解して無害な物質に変える。
- 胆汁分泌
胆汁は脂肪の消化吸収を助ける働きと解毒された老廃物を体外へ排泄する働きがあります。
■ 肝臓病の病状
肝臓は「沈黙の臓器」と言われています。それは肝細胞の大部分が壊れてしまうまで痛みなどのはっきりした自覚症状が表われないからです。肝臓病では、大事に至る前に速やかに治療を開始することが大切です。体にあらわれるサインとしての自覚症状を見分けることが大切です。症状は風邪の症状に似ていて、見逃しやすいので要注意です。
自覚症状
- 体がだるい 疲れやすい
- 食欲がない
- 微熱がある
- 右の脇腹が重苦しい
- 脂っこいものが食べられなくなる
- 急に酒量が落ちる
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体に表われてくる症状
- 黄痕が出る
- 白目が黄色になる
- 便の色が白っぽくなる
- 尿の色が濃くなる
- 尿の色が黄色になる
- 右の脇腹が腫れている
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■ 肝臓病の原因
わが国の肝臓病の大半がウイルス性によるものです。それ以外は、アルコール性、肥満、薬剤などです。
■ 主な肝臓病の原因による分類
| ウイルス肝障害 |
急性肝炎、劇症肝炎
慢性肝炎、肝硬変、肝がん
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| 薬剤性肝障害 |
肝炎型、肝汁うっ滞型、混合型 |
| アルコール性肝障害 |
脂肪肝、肝繊維症、肝炎、肝硬変、肝がん |
| 自己免疫性肝障害 |
肝炎、胆管炎、肝硬変 |
| 代謝障害性肝障害 |
脂肪肝、慢性肝障害、肝硬変、肝がん |
| 先天性障害性 |
胆管炎、肝硬変 |
■ ウイルス性肝炎一覧
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ウイルスの種類 |
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| 経口感染、食物や飲料水より |
A型肝炎ウイルス(HAV) |
慢性化に移行しない |
| E型肝炎ウイルス(HEV) |
日本での感染は殆どありません |
| 血液、体液感染 |
B型肝炎ウイルス(HBV) |
キャリアの10%が慢性肝炎、3%が肝硬変、肝がんに |
| C型肝炎ウイルス(HCV) |
キャリアは日本で推定180万です。キャリアの70%が慢性肝炎に移行する |
| D型肝炎ウイルス(HDV) |
HBVとHDVと同時感染するケースとHBVの人がHDVに感染するケースがあります |
*血液や体液の感染は輸血、注射、ハリ治療、入れ墨、性行為などから、キャリアの血液や体液に接触した際に起こります。その他、キャリアの母親から起こる母子感染があります。
■ 肝臓病の種類
| 急性肝炎 |
肝臓の組織に炎症が起こり、6ヶ月以内に治るもの。 |
| 劇性肝炎 |
急性肝炎が重症化すると約80%が劇症肝炎になります。意識障害から脳症に進み、危険な状態になります。 |
| 慢性肝炎 |
急性の炎症が6ヶ月以上持続するもの。 |
| 肝硬変 |
肝細胞が破壊され、肝細胞数が減少し、肝臓が硬く小さくなってきます。肝機能の低下と共に肝臓が血流障害になってきます。 |
| 肝がん |
初めから肝臓に発生した「原発性肝がん」と他の臓器から転移した「転移性がん」に分類されますが、転移性の方が多い。日本では肝がんの90%以上がB型・C型肝炎ウイルスです。 |
| 脂肪肝 |
肝細胞の30%以上に中性脂肪が過剰にたまったもの。 |
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